長崎U M A ✕ 中国料理 花梨(ANAインターコンチネンタルホテル東京内)

食材のプロである生産者の食材を
料理のプロである自分が最大限に活かす

日本の食材を積極的に取り入れた、季節感溢れる中国料理

1986年のホテル創業時より、本格的な中国料理を楽しめるレストランとして愛されてきた「花梨」で、2006年より2代目料理長を務めています。就任した頃は、中国から食材を取り寄せて本場の味を再現することに注力していましたが、近年は日本の食材にも着目し、積極的に使うようになってきました。長崎県産食材も、数年前から使用していますが、特に気に入っているのは魚介類。今回用いたスジアラのほか、ハタ、ホウボウなど、長崎県産の白身魚は身がしまっていて本当においしいですね。対馬地どりも特に気に入っている食材の一つです。

繊細な味のスジアラを、シンプルなスパイス炒めに

料理は広東料理をベースに、上海・四川・北京・潮州など、本場の味をバラエティ豊かに提供しています。新しいメニューを考える際に意識しているのは、和洋の素材を取り入れつつも、食べたあとには中国料理らしさをしっかりと感じられるような料理に仕立てること。11~12月の期間限定の特別コースとしてお出ししている「武陵桃源コース」では、「長崎・沖縄の収穫祭」をテーマに、それぞれの土地の旬の素材を取り合わせた料理をご用意しました。コースの中盤にお出しするのは、「伊勢海老と長崎産スジアラ、沖縄産車海老と旬野菜のオリジナルスパイス炒め」。スジアラは淡泊な旨味を活かすため、サッと素揚げに。伊勢海老と車海老も軽く揚げ、五香粉と唐辛子で中国料理らしいエッセンスを、ドライにしたあおさで和の香りを加えました。

対馬地どりと原木椎茸、すっぽんの濃厚な旨味を重ねる

また「すっぽんとなまこ、対馬地どりのオイスターソース煮込み」は、長崎の海の幸と山の幸を取り合わせ、自家製のオイスターソースで煮込んだ料理です。対馬地どりは、肉質がしっかりとして歯ごたえがありつつも、煮込んでも硬くならず、皮も厚くて美味しい。すっぽんからも、とても濃い旨味が出ます。対馬の原木椎茸は生のままでももちろんおいしいのですが、今回は干すことで出る凝縮した旨味を使いたくて、乾燥させたものを使いました。肉厚なので食感がよく、戻したときの旨味の出方も格別です。

「壱岐牛」とは違った魅力のある「出島ばらいろ」

「出島ばらいろロース肉のしゃぶしゃぶ入り黒胡麻担々烏麵」は、長崎和牛とうどん、両方のよさを味わえるメニューとして考えました。長崎和牛のうち、壱岐牛は使ったことがありましたが、「出島ばらいろ」は初めて。壱岐牛は肉の味が濃いので炒め物などにしていたのに対し、「出島ばらいろ」はあっさりとした旨味を活かすため、軽くしゃぶしゃぶにしてみました。また、五島の手延うどんは、喉ごしがよくスープがほどよく絡むので、担々麵にぴったり。麺のおいしさを主張させるため、トッピングはあえてシンプルに仕立てました。長崎の食材の生産者さんは皆、おいしい野菜や肉を育て、魚介を獲るプロフェッショナル。厨房に立つときはいつも彼らのことを思い出しながら、自分は料理のプロフェッショナルとして、最高の素材を活かした料理に仕立てられるように気を引き締めています。

ライター:笹木 理恵

中国料理「花梨」

(ANAインターコンチネンタルホテル東京内 3階)

TEL:03-3505-1185

東京都港区赤坂1-12-33
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